介護福祉士は、介護現場で一定期間の実務経験を積まないと取得できない国家資格です。介護福祉士の資格を取っても、介護職員としての仕事内容は介助を中心とする現場業務などで、一般のスタッフとさほど変わりません。
ただし、介護福祉士の有資格者は、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修といった介護の民間資格者が働く現場のリーダーとして活躍できます。現場を知るスタッフとして、介護に役立つ工夫を凝らし、主任的な立場から部下を指導できるでしょう。
また、介護福祉士を10年以上勤めると、特定処遇改善加算の対象になれます。特定処遇改善加算とは、給与が低いと言われる介護職員の給与面を改善するために設立された制度で、全産業の平均年収まで介護福祉士の収入を上げるという特徴があります。特定処遇改善加算を受けた介護福祉士の中には、収入が月額で8万円以上も上がったというケースもありました。離職率が高い介護業界ですが、長く勤めれば収入が上がる制度の導入によって、介護福祉士がやりがいを感じられるようになったと言えます。
それから、介護福祉士の資格を取ると、ケアマネジャーなどの上級資格の国家試験を受けられます。ケアマネジャーになれば、肉体的負担の大きい介助業務から解放され、ケアプランの作成といったデスクワークに移行できるのです。ケアマネジャーは、利用者や家族と面談して、介護計画を立てる業務も担います。介護福祉士の経験を持つケアマネジャーは、現場の経験を生かして有効なプランを立案できるようになります。